「HSPは双極性障害になりやすいって本当?」
「普段より落ち込みすぎる」
「調子が良すぎるけど、いきなりやる気がなくなることがある」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
双極性障害とは、気分が極端に下がってやる気や気力が起きなくなるうつ状態と、気分や自己肯定感が上がりすぎたり、焦ったり衝動的に行動したりする躁状態がある精神疾患です。
この症状は外向的だけど繊細なHSS型HSPの、活動的だと思えば疲れて寝込んでしまうという状態に似ています。
しかし、双極性障害は活動的でも空回りしたり、成果が出せなかったり、イライラして他人を傷つけたり、大きな買い物や突然企業したりして、後々深く後悔したりします。
そのため、繊細だからこそ高パフォーマンスが出せるHSPとは異なり、双極性障害はできるだけ早く正しい治療を行うことが求められます。
この記事では、以下について紹介します。
- HSS型HSPとの違い
- 双極性障害の原因と症状
- HSPと双極性障害を判断する方法
この記事を通して、HSPではなく双極性障害かもと感じた方は、できるだけ早く医師に相談してくださいね。
あなたの心と体を大切にしてください!
HSS型HSPと双極性障害とは?
HSPは敏感で繊細な特徴を持ちながら、刺激を求める特性のHSS型HSPと精神疾患である双極性障害は似ているといわれています。
HSS型HSPは病気ではなく特性なため、全く同じではありません。
しかし、元気な状態と躁状態、疲れ果てた状態とうつ状態がある点においては似ているといえます。
ここで、HSS型HSPと双極性障害の違いについて紹介します。
HSS型HSPとは
HSPには内向型か外向型か、刺激を求めるか求めないかの4種類あります。
その中の1つであるHSS型HSPとは、繊細で敏感というHSPの特性を持ちながら、好奇心旺盛で行動力がある人のことを指します。 外交的な性格のため活発に活動しますが、刺激には弱いため、限界を超えると充電が切れたかのように静かに過ごすようになります。
そのため「ブレーキを踏みながらアクセルを踏む」と例えられることもあります。
HSS型HSPの特徴には、以下のようなものがあります。
- 新しいものが好きですぐに興味を持つが、すぐに飽きる
- 新しい場所に行くのが好きだが、人ごみや騒音ですぐに疲れてしまう
- 明るく社交的と思われがち(実際はそうではない)
- どれだけ緊張したり焦ったりしていても、落ち着いているといわれる
- 初対面でも仲良くなれるが、疲れて疎遠になりがち
- 小さなミスを引きずりやすい
- 好奇心旺盛だが、警戒心が高く、入念に調査する
- 自己肯定感は低いが、自信家
刺激が苦手なのに、求めてしまうという点においては、4種類あるHSPの中では一番苦労してしまう点になるかもしれませんね。
双極性障害とは
双極性障害とは、もともと躁うつ病と呼ばれていた精神疾患の1つです。気分が高まる躁状態と気分が落ち込む鬱状態を繰り返す脳の病気です。
躁状態では、さまざまな人に話しかけたり、眠らなくても元気に活動できたり、いろんなことに挑戦したりと活動的になります。
鬱状態では、憂鬱な気分になってやる気が低下したり、不眠や仮眠になったりします。
HSS型HSPと双極性障害の違い
HSS型HSPと双極性障害は「活動的だったのに、いつの間にか気分が下がってやる気もなくなっている」といった気分の浮き沈みがあるという点では似ています。
しかし、双極性障害の躁状態では、活動的だからといって能力が上がるというわけではなく、むしろ空回りしたり、間違った方向に力を使ってしまいます。
例えば、根拠もないのにいきなり起業したり、借金をしたりなどです。
そのため、うつ状態になった際に、過去の行動を振り返って激しく後悔することもあります。
また、躁状態がひどい場合だと、怒りっぽくなったり、人を傷つける言葉を言ったりします。
その点、HSS型HSPは気分の浮き沈みに関係なく、人を気遣ったり、素敵なアイデアが浮かんだり、深く考えながら丁寧な作業ができます。
双極性障害ってどんな病気?
次に双極性障害について、以下の5つを詳しく解説していきます。
- 原因
- 症状
- 1型と2型
- HSPが双極性障害になりやすい理由
- 双極性障害は治らないのか
原因
双極性障害を発症する原因としては、脳内の情報伝達が乱れてしまうことだと考えられています。
主にストレスがきっかけになりますが、直接の原因ではないとされています。
病気になりやすい体質であるかやストレスへの耐性などさまざまな要因が組み合わさり発症します。
また、双極性障害を引き起こす特定の遺伝子は見つかってはいませんが、2〜10%の遺伝率があるといわれています。そのため、家族に双極性障害を患ったことがあるかも判断基準になります。
症状
双極性障害には、以下の4つの状態があります。
- 躁状態
- 軽躁状態
- うつ状態
- 混合状態
それぞれ症状が異なるので、どの状態の時にどんな症状になるのかを確認してみましょう。
躁状態
躁状態は普段よりテンションが高く、自分はなんでもできると感じている状態です。
しかし、本人は自覚していることが少なく、高まった気分や活力に合わせて行動してしまいす。
周りからはいつもよりテンションが高いことが明らかで、仕事や家庭でも大きな支障が見られたりします。
躁状態では、本人の自覚がなく、自分が病気であることに気づかないため、以下のような行動を起こしてしまいます。
- 気分高揚する
- 爽快気分になる
- 怒りっぽくなる
- 1日中活動しても疲れにくい
- 何でもできるような気持ちになる
- 自分は特別だと思い込む
- 思い付きで投資や起業をしてしまう
- 次々とアイデアが出てきて、話がまとまらない
- 集中できない
- 焦って落ち着かなくなる
- 人と必要以上に交流をとろうとする
- 不要なものに大金を使う
- 性的な乱れが生じる
- 睡眠をとらなくても疲れを感じなくなる
軽躁状態
軽躁状態でも気分や活力の高まりはありますが、躁状態と比べると症状が軽度になります。
本人としても問題がなく、普通の状態と感じてしまうため、あまり気づかれないことが多いです。
むしろ、仕事や人間関係において良い部分が発揮され、成果をあげたり魅力的な人物と見られたりします。
躁状態ほど、不適切な行動につながることは少ないのですが、家族や友人などからは「人が変わった」と感じられることがあります。
軽躁状態の主な症状は、以下です。
- 気分が良い
- 高揚感がある
- やる気満ち溢れる
- 心身ともに好調
- 自尊心や自己肯定感が高まる
- 社交的になる
- 多弁になる
- 買い物をしすぎる
軽躁状態が続くのは数日ほどで、そのあとにくるうつ状態にだけ注目してしまい、うつ病だと誤診されることが多いです。
しかし、軽躁状態でもは衝動性が強く、躁状態よりも自殺される方が多いともいわれています。
うつ状態から躁状態になったときが、最も自殺率が高いので注意が必要です。
うつ状態
双極性障害のうつ状態は、うつ病の症状と基本的に同じです。
うつ状態の症状を紹介します。
- 気分が落ち込む
- 興味や感情がなくなる
- すぐに疲れてしまう
- 食欲低下や過食になる
- 不眠や過眠になる
- 意欲が低下し、何にたいしてもやる気が出なくなる
- 判断力が低下し、決断ができない
- 自己肯定感が下がり、過剰に自分を責める
- 繰り返し死ぬことを考える
会社や学校に行けなくなり、精神状態がおかしいと感じて、病院やクリニックにかかることがほとんどです。
この時に、躁状態や軽躁状態があったことを医師に伝えられれば、すぐに正しい治療が行われます。
また、うつ状態で繰り返し考えていた死を、躁状態または軽躁状になった際に行動に移してしまうことがあります。
混合状態
双極性障害の躁状態とうつ状態は同時に出てくることがあります。この状態を、混合状態と呼びます。
混合状態の症状を紹介します。
- 気分や考え、行動がバラバラになる
- 気分は落ち込んでいるのに、動ける
- 動けないのに、不安や焦りだけが強まる
- 気分は高揚しているのに涙ぐむ
- うつ状態なのに、とりとめのない考えが浮かんでくる
焦燥感とイライラ感によって非常に不安定な状態になり、衝動性も高まりやすいため、自殺のリスクもあります。
基本的には、躁状態(軽躁状態)からうつ状態、うつ状態から躁状態(軽躁状態)などに移っていくときに起こりやすいです。
また、うつ病と誤診されたときに処方されやすい抗うつ剤を使うことで誘発される場合があります。
1型と2型
双極性障害には1型と2型の2種類があります。 それぞれの特徴は、以下です。
双極性障害1型:躁状態と鬱状態
双極性障害2型:軽躁状態と鬱状態
主に、躁状態か軽躁状態かの違いになります。
1型は人を傷つけたり、横柄な振る舞いになったりすることが多いため、HSS型HSPとの違いが分かりやすいです。
しかし、2型は表立ってわかるような変化が無いため、HSS型HSPと区別がしづらいです。
その場合は、繊細さや敏感さを活かして活動できているかや、能力を活かして成果を出しているかを確認しましょう。
ただし、少しでも違和感がある場合は医師に診察してもらったり、カウンセリングを受けたりしてみましょう。
HSS型HSPだとしても、生きづらさを解消するための手助けをしてくれますよ。
HSPは双極性障害になりやすい
双極性障害はストレスを原因に発症するため、ストレスを溜めやすいHSPは双極性障害になりやすいといえます。
そのため、できるだけストレスを解消するようにする必要があります。
双極性障害に限らず、精神疾患は自己肯定感の低さやネガティブな感情から引き起こされやすいため、自分らしく生きられる環境で、穏やかに過ごせるようにしましょう。
双極性障害は治らない?
双極性障害は、放置していて治る病気ではありません。
そのため、しっかり医師と相談しながら治療を行う必要があり、放置すると再発したり、うつ状態と躁状態の頻度が短くなってきます。
早期に発見し治療を正しく行えば、コントロールできる病気なので、素早く症状を改善するためにも、違和感があればすぐに医師に相談してくださいね。
HSPと双極性障害の判断方法
もし、HSS型HSPではなく、HSPの人が双極性障害になるとどうなるのでしょうか?
HSPの繊細で敏感な気質に、双極性障害の躁状態時に起こる活動的な面が合わさると、HSS型HSPのようになります。
この場合は、双極性障害だけHSPの能力が発揮されて、パフォーマンスが上がるようになるため、先ほど紹介した能力や空回りしていないかなどでは判断できません。
もともとHSP気質のある人は、以下を確認してみましょう。
- 急に行動的になっていないか?
- 異常に自己肯定感が高まっていないか?
- 些細なことでイライラしていないか?
- いつも以上に無力感や疲れを感じていないか?
- 死を考えたりしていないか?
今までと比べて、上記のようなことが多いと感じたら、双極性障害になっている可能性があります。
もし、上記に当てはまるようなら、できるだけ早く医師に相談してくださいね。
双極性障害かもしれないときはカウンセリングで相談してみよう
HSPと双極性障害の違いと症状について紹介しました。
HSPは病気ではなく特性であり、治せるものではありません。
しかし、双極性障害は早く正しい治療を行えば、治るものです。
HSPと双極性障害の違いとしては活動的なときに、空回りせずに高パフォーマンスが出せるのがHSPで、イライラしたりミスが多いのが双極性障害になります。
もし、HSPが双極性障害を患うと活動的だけど、高パフォーマンスが出せるという状態にります。
HSPで双極性障害がもと感じたら、以下のような状態ではないかを確認してみてくださいね。
- 急に行動的になっていないか?
- 異常に自己肯定感が高まっていないか?
- 些細なことでイライラしていないか?
- いつも以上に無力感や疲れを感じていないか?
- 死を考えたりしていないか?
ストレスを溜めやすいHSPは、双極性障害やその他の精神疾患を患いやすいです。
少しでも違和感を感じたら医師に相談するようにしてくださいね。